大規模臨床試験の約10年間の追跡調査により、早期乳癌でセンチネルリンパ節に最小または中程度の腫瘍がある患者では腋窩郭清は必要ないことが確認された。

「1990年代まで、浸潤性乳癌の外科治療には腋窩リンパ節郭清を含む」とミラノの欧州腫瘍学研究所のViviana Galimberti, MDを筆頭に研究著者は述べています。 「しかし、腋窩リンパ節郭清の短期および長期の副作用は常に懸念されていました」

以前、国際乳癌研究グループ(IBCSG)23-01試験の5年結果では、腋窩郭清を行った患者と行わなかった患者で無病生存(DFS)、全体生存(OS)、再発に差がないことが明らかになりました;他の試験でも同様の結果が示されています。 今回の報告では、この解析を追跡期間中央値9.7年まで延長し、Lancet Oncology誌に掲載されました。

この試験には、2001年から2010年に腋窩郭清なし(469例)または腋窩郭清あり(465例)に無作為に割り付けられた934例の患者が含まれています。 10年後のDFS率は、腋窩郭清を行わない場合76.8%、行った場合74.9%で、ハザード比(HR)は0.85(95% CI, 0.65-1.11; P = .24; 非劣性に対するP = .0024)であった。 乳がんイベントの累積発生率に関しては、両群間に差はなく、10年発生率は郭清なしの場合17.6%、郭清ありの場合17.3%で、HRは0.98(95%CI, 0.71-1.36; P = .92)であった。 10年OS率は、解離なし90.8%、解離あり88.2%で、HRは0.78(95%CI, 0.53-1.14; P = .20)。

長期外科的有害事象は5年目までしかモニターしなかったため、最新の解析は以前発表したものと同様であった。 感覚神経障害、リンパ浮腫、運動神経障害は腋窩郭清群でより頻度が高かった。

「この10年間の追跡調査は、センチネルリンパ節に最小限の疾患負荷を持つ患者における腋窩郭清省略が許容できる治療であるというハイレベルな追加エビデンスを提供します」と著者は結論付けた。

研究に関与していないヒューストンのテキサス大学MDアンダーソンがんセンターの乳房プログラムのエグゼクティブディレクターであるHenry Kuerer, MD, PhDは、Cancer Networkに対して、「米国の多くの外科医は、微小転移のみが見つかった場合に追加の腋窩手術を行うことも避けるようになった」と述べた。 現在の全米包括的がんネットワークのガイドラインもこれを支持しているようだ」

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