軽いかゆみなら心配ありませんが、かゆみがひどくなると「産科性胆のう炎」という重い肝臓疾患のサインである可能性があります。
軽いかゆみ
ゆったりした服を着ると、服が皮膚と擦れて刺激を与えにくくなり、かゆみを防ぐことができるかもしれません。 また、化学繊維を避け、綿などの天然素材で、肌に近いところで空気の循環ができるものを選ぶとよいでしょう。 冷えたお風呂に入ったり、化粧水や保湿剤を塗ったりすると、かゆみが和らぐかもしれません。
香水の強いものは肌に刺激になる人もいるので、さっぱりした化粧水や石鹸を使ってみるのもいいでしょう。
ひどいかゆみ:産科胆嚢炎
心配な場合やひどいかゆみの場合は、助産院や医師に診てもらうことが重要です。
産科性胆汁うっ滞症(OC)は、妊娠肝内胆汁うっ滞症とも呼ばれ、少数の妊婦、通常は妊娠後期3カ月に発症する重篤な肝障害です。
産科性胆汁うっ滞の原因
OCの原因は不明ですが、妊娠後期の妊娠ホルモンの上昇により、胆汁(肝臓で作られ、消化器官の脂肪分解を助ける消化液)の通常の流れが滞ると考えられています。 OCでは、胆汁酸塩が肝臓から排出されずに蓄積され、最終的に血流に入り、かゆみを感じることがあります。
OC は家族に多いようですが、家族歴がなくても発症することもあるようです。 また、インドやパキスタン系の女性に多くみられます。
OCのある女性の赤ちゃんは、早産や死産になりやすく、また胎便を吸い込むことによる肺障害になりやすいといわれています。 これらの合併症のため、医師は予定日前に陣痛を誘発することを検討するかもしれません。
産科性胆汁うっ滞の症状
OCの典型的な症状は、通常手の平と足の裏の、発疹のないかゆみですが、より広範囲に及ぶこともあります。
その他の症状としては、濃い尿、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、青白い排便(うんち)などがあります。
かゆみは通常、出産後数日で治まります。
産科性胆汁うっ滞の治療
OCは、病歴や家族歴、肝機能を調べる血液検査(肝機能検査-LFTs)により診断されます。
カラミンローションなどのクリームは、妊娠中でも安全に使用でき、かゆみをある程度緩和することができます。 医師は、胆汁酸塩を減らし、かゆみを緩和する薬を処方することがあります。
OCは、健康な血液凝固に重要なビタミンKの吸収に影響を与えることがあるので、ビタミンKサプリメントを提供することがあります。
OCと診断されたら、助産師と医師があなたの健康状態と選択肢について話し合います。