症例報告

69歳女性は25年前から頭皮に徐々に拡大する複数の病変を認め,その病歴を報告した。 患者の姉と母親にも同様の頭皮の腫瘤があった。 頭頂部付近の病変に潰瘍形成がみられたため,外科的な診察を受けた。

身体所見では,患者の頭皮には3~15cmの多数の移動性腫瘤が見られた。 腫瘤は前髪の生え際から後髪の生え際まで伸びており,後頭部と頭頂部に多く見られた。 腫瘤は固いものからゆらぎのあるものまで様々で,すべて毛髪に覆われていた。 切除した頭頂部付近の生検部位はよく治癒しており,その他に潰瘍や擦過傷の部位は認められなかった。 7343>

頭部CT検査(造影あり・なし)では,頭皮上の皮下組織内に複数の縁取りのある卵形の複雑な嚢胞性腫瘤が認められた(図1,2A)。 頭蓋底の軸位CTスキャンでは,上頸部後面の2つの複雑な皮下嚢胞性腫瘤が認められた(図2A)。 主な腫瘤は、従属部に粗い鉱化領域があり、これは比較的減弱したタンパク質性物質を含む嚢胞構造であることが示唆された。 第二の腫瘤は、軟部組織の減弱の両方とその周囲にリング状の鉱化領域を有していた。 複雑な嚢胞は、嚢胞壁の求心性結節を伴って明確に定義されていた。 周囲の皮下組織への浸潤はみられなかった。 嚢胞内容物の増強はみられなかった。 嚢胞内容物は10〜40HUの範囲にあり、石灰化領域は300HUであった。 頚骨は侵食や骨膜反応もなく無傷であった。 胸部CTスキャンでは,4個の非特異的な数センチメートル以下の肺結節(上葉に各2個)が確認された. 7343>

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